2017年1月時点のスーファミ音楽関連まとめ

せっかくSPCドライバも作ったことなので、宣伝も兼ねて、
スーファミっぽい音楽からスーファミで実際に鳴らせる音楽の作成方法の類をまとめてみました。

スーファミ音源ってなんぞ?

名前の通り、スーパーファミコンで使用されている音源です。
使われているチップ(SPC700)からSPC700音源とか、海外名称のSNESからSNES音源とか呼ばれたりもします。たぶん

  • 最大発音数8音のPCM音源
  • PCMの代わりにノイズを鳴らすことができる
  • 最大256個のPCMが使える
  • ピッチ変調機能搭載(FM音源っぽいことができます)
  • エコー機能
  • メモリ容量64KB

発売当時、FM音源を搭載するコンシューマ機が多い中、PCM音源を搭載したということでかなり注目されたようです。
この音源から、「アクトレイザー」はじめ様々な名ゲーム音楽が誕生していきます。

最後に記述したメモリ容量64KBというのは、PCM音源としてはあまりにも小容量で、
当時のサウンドエンジニアが散々頭を悩ませていたというのは、あまりにも有名なお話。

スーファミっぽい音楽

サウンドフォントを使ってみる

スーパーファミコンはPCM音源なので、PCMをどうにかしてサウンドフォントにできれば、
簡単にそれっぽく鳴らすことができます。

サウンドフォントは、BASS MIDI Driverあたりに読み込ませれば、
midiベースで作成することが可能です。

ただし、該当のサウンドフォントの作成または入手がすこし難しいのが、この方法の難点です。

参考動画:
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ピストンコラージュを使ってみる

ピストンコラージュは、ピアノロール形式の音楽作成ツールです。
wav / ogg 等を音源として曲の作成ができます。

ただし、こちらもサウンドフォント同様、該当ゲームの音源の作成の手間が発生します。

参考動画:
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FPD98を使ってみる

FPD98は、汎用音楽演奏ソフトです。MIDI形式の他、MML形式での音楽の作成ができます。
SPC2FPVというソフトを使用することで、
SPCファイルからFPD98用の音源ファイルを作成することができます。

個人的には、最も"それっぽく"作れる方法がこれかなぁと思います。

参考動画:
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スーファミ(SPC700音源チップ)で鳴らしてみる

C700を使ってみる

C700は、スーファミ音源をエミュレートするソフトウェアサンプラーです。
VSTプラグインとして動作します。
フリーで使用したいのであれば、WindowsであればVSThostあたりと組み合わせると
よいと思います。

C700は多連装音源システム G.I.M.I.Cとの連携が可能で、
SPC700モジュール搭載のG.I.M.I.Cを使用することで、
SPC700音源チップ(スーファミの音源チップ)で実際に音楽を鳴らすこともできます。

G.I.M.I.Cはそこそこお値段しますが、FM音源好きとかそういう人にはたまらんシロモノなので、
お金に余裕がある人は是非とも手に入れておきたいところ。
ちなみにボクは持っていません。だれかめぐんで

https://carrotwine.stores.jp/items/58664e0c99c3cdfb7b0139ee
こんな同人誌もあります。

参考動画:

XMSNES / SNESMOD を使ってみる

XMSNESは、XMファイルをSPCファイルに変換するツールです。
また、SNESMODは、上記XMSNESと同作者が作成した、ITファイルをSPCファイルに変換するツールです。

わりと昔から存在する手法で、名前を聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか。

XMファイル・ITファイルいずれも、MODトラッカーを使用して作成できます。
http://blog.midr2.under.jp/?eid=175 <- このページを参考にするとよいとおもいます。

参考動画:
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実機演奏動画としては最古?


SNESMODを使用したゲームです(作者はSNESMODの作成者と同じ)

SNES GSSを使ってみる

SNES GSSは、トラッカーベースのSPC作成ツールです。
ボクは触ったことがないのでよくわかりません。

このツールで作成されたSPCは目にしたことがありますが、たぶんエコー周りの実装には問題がありそうです。
つくり方によっては、実機で鳴らないと思います。

参考動画:

AddmusicKを使ってみる

AddmusicKは、スーパーマリオワールドの音楽改造向けのツールです。
が、該当ゲームを持ってなくてもMMLを書けばSPCを作れちゃったりするので、SPC音楽作成ツールとして使用できます。

ただし、MMLの仕様が煩雑で、よりよい表現の為にコマンドを生値で書かないといけなかったりします。
また、SPCドライバの特性上処理落ちが発生しやすく、テンポのスローダウンが頻発しやすいです。

参考動画:
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実際のゲームで使われているドライバを使ってみる

ゲームを改造して自作曲にすり替えてしまうというもの。
ニコ動ではロマンシング・サガシリーズや、ファイナルファンタジーシリーズ等の音楽を
すり替えるものが有名ではないでしょうか。

一部のゲームには書き換えツールが存在しますが、そんなものが無い場合はバイナリエディタを使って
せっせこ書き換えなければいけない為、敷居は相当高いです。

参考動画:
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ロマサガ3音源を使ったアレンジ

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こちらは作成風景、たぶんいちぶのひとにしかわからない

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こちらはスーパードンキーコング2のSPCドライバを使用した例
ドライバそのものに改造が入っていたりと、やっていることは非常にむずかしいです

SuperCを使ってみる

SuperCは、拙作のSPCドライバ+mmlコンパイラです。
最大の特徴は、動的割り当てトラックが12こあることです。
※ただし同時発音数は8音なので、12トラック同時に鳴らそうとしても4トラックは弾かれます

SPCの生成の他、SNSF形式・スーファミのROM形式での出力にも対応しています。
ただ、2017/01/13現在、ドキュメントが少ないというのが致命的。
また、BRRファイルも自分で用意しないといけないので、敷居はそこそこ高いです。

mmlで使えるコマンドについては、Wikiの情報は古いのでこのページを見てください。

参考動画:
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さいごに

昔とくらべると、スーファミ音源の音楽作成手段がずいぶんと多様化してきました。
なので、もっとそういう動画とか増えるといいなぁ〜、なんて期待してみたりします。

ここに挙げきれていないSFC音源関連動画もたくさんあるので、
気になった人は、ぜひ「SFC音源」や「SPC700」でググってみてください。
たぶん(ニコ動あたりの)動画がいっぱい見つかります。